A01: シンギュラリティ細胞の計測・操作技術の開発
pHを指標にした生体内特異点の可視化を目指した蛍光プローブの創製
ヒト幹細胞培養系に出現する異質細胞の非侵襲的検出法の開発とその出現機構の解明
時空間トランススケールイメージングを可能にする高分子ケージドルシフェリンの開発
光音響イメージングに基づく臓器横断的なシンギュラリティ現象の解明
A02: シンギュラリティ現象を解析するための数理・情報技術開発
シンギュラリティ細胞が率いる集団を表現する機械論的モデルの構成
単一細胞multi-omicsによるシンギュラリティー細胞同定技術の開発
神経回路形成時のシンギュラリティ細胞の検出
時空間モデルの推定と「予測不可能性の定量」にもとづくシンギュラリティ細胞の同定
A03: シンギュラリティ現象の生物学的意義の解明
インフルエンザウイルス感染におけるシンギュラリティ
少数細胞が規定する膵臓がん発生過程の解明
ガン形成を駆動する普遍的レアイベント「倍数性逆転」の発生原理に迫る
発達脳のシナプス刈り込みにおけるシンギュラリティ現象のイメージング解析
生死を分ける脳炎発火点の解明
極値統計理論を用いた、外れ値免疫細胞の動態の数理解析
環境に応答して胚発生の司令塔オーガナイザーをオス化するシンギュラリティ細胞の同定
時間免疫学と1細胞解析の融合による免疫反応におけるシンギュラリティ現象の解明
肺がんにおける腫瘍内不均一性を統括するシンギュラリティ細胞の探索と機能解析
疾患特異的iPS細胞を用いたモザイシズムによるシンギュラリティ現象の解析
研究代表者 | 太田 悦朗 |
機関 | 北里大学・医療衛生学部 |
専門分野 | 神経科学 |
研究の目的 | パーキンソン病(PD)の非運動症状のひとつである認知機能の低下には、Tauが関係している。本研究では、LRRK2変異をもつ優性遺伝PD 患者由来の疾患特異的iPS細胞を用いて、シンギュラリティ現象によるオリゴマーTau 伝播の証明とその変性機構を解明する。さらに、オリゴマーTau増加を呈するシンギュラリティ細胞は、変異LRRK2アリルのモザイシズムに起因しているかどうかを検証するために、iPSC由来神経細胞集団をin vitroおよびin vivo条件下で解析する。 |
自己免疫疾患の発症・非発症を規定する特異点の検出
がん細胞が出現した正常間質組織でのシンギュラリティ現象の解明
研究代表者 | 昆 俊亮 |
機関 | 東京理科大学 生命医科学研究所 発生及び老化研究部門 |
専門分野 | 腫瘍生物学 |
研究の目的 | 腫瘍組織は特殊な微小環境が整備されており、がん細胞によって教育された間質細胞が腫瘍進展に有利に作用する。しかしながら、がん細胞が基底膜を通過し間質内へと浸潤したとき、即ちがん細胞が正常間質細胞と初めて接触した際にどのような相互作用が生じるかはよく分かっていない。我々の予備的研究結果より、正常間質組織は悪性度の低いがん細胞に対しては抗腫瘍的に機能するのに対し、悪性度の高いがん細胞は「シンギュラリティ細胞」として、正常間質からがん間質へと臨界現象をもたらすことが示唆された。そこで本課題では、ex vivoイメージングやオミクス解析を駆使し、腫瘍細胞社会形成の超初期に生じるシンギュラリティ現象を解明する。 |